本の購入・定期購読のお申込み
twitter
facebook
instagram

旅行読売出版社トップ › トピックス › 旅する喫茶店 Vol.09

トピックス

旅する喫茶店 Vol.09

水出し温泉珈琲のポットが棚に並ぶ。テーブルは蔵の扉がそのまま使われている

老舗温泉宿が
温泉水でいれた珈琲

温泉珈琲 水屋
(新潟・湯沢町)

越後湯沢駅はスキーの拠点として何度となく訪れているので、西口ロータリー前に立つ温泉旅館「HATAGO井仙」は以前から知っていた。2005年に旅館を改装した時に1階にオープンしたのがカフェ「温泉珈琲 水屋」である。駅側に足湯とカフェの入口がある。

「越後湯沢駅はスキーの印象が強いと思いますが、実は観光のピークは夏です」とマネージャーの小野塚敏之さん。川端康成が小説「雪国」で描いた知名度の高い温泉地なので、この地域の温泉を活用しようと考えたのが温泉珈琲(530円)だ。トラジャアラビカの豆を、飲用の許可を取ったアルカリ性単純温泉でいれる。

「4分お待ちください」と言われ、ポットとともに砂時計が置かれた。駅ナカの飲食店が大混雑する新幹線の駅前とは思えない落ち着いた和の空間は、時間がゆっくりと流れていく。苦みはあまりないものの、コクがあるのは温泉の効用か。

スイーツなどのサイドメニューも充実している。特注の米を使った笹団子や温泉プリン、米粉を混ぜたロールケーキ「湯澤るうろ」など、添加物は使わず地元産にこだわっている。

寸暇を惜しんでスキーをしていた頃は気付かなかったが、珈琲を楽しむ時間の価値が少し分かるようになった今、湯沢の魅力がまた一つ増えた。

   

文・写真/中野秀俊

                
店の軒先には天然温泉を使った足湯もある
                
温泉珈琲とこしひかり笹団子400円、
温泉プリン320円
                
温泉珈琲 水屋
新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢2455
TEL.025・784・3361
営業:9時〜18時/無休
交通:上越新幹線越後湯沢駅からすぐ
このページのトップへ