本の購入・定期購読のお申込み
twitter
facebook

旅行読売出版社トップ › トピックス › 旅する喫茶店

トピックス

旅する喫茶店 Vol.07

2層に分かれていて広い地下フロア。店舗は新宿区の地域文化財に認定

地下に広がる
レトロな音楽空間

新宿らんぶる
(東京・新宿区)

10年以上前によく通った。新宿通りの裏にあり、狭い入り口からは想像もつかないくらい地下フロアが広く、コーヒー1杯で長居できる雰囲気が好きだった。60年以上、布を張り替えながら使っているという赤いソファは昭和の香りがした。フランス語で「琥珀」を意味する名は、ノスタルジックな店の雰囲気そのままだ。

名曲喫茶を謳い、再訪したこの日はモーツァルトのピアノソナタが静かに流れていた。開業した1950年からしばらくの間は会話禁止の“硬派”だったそう。ベートーベンの木彫りの肖像画が睥睨する店内は、1974年の改装時からほとんど変わっていない。ただ、数年前に地下フロアが禁煙になったのは時流だろうか。

「街の文化は喫茶店から」と3代目の重光康宏さん。「周りは劇場やレコード店が多く、サブカルチャーの雰囲気が感じられる土地柄。観劇や買い物帰りに寄って、新宿にいることを忘れてもらえれば」と話す。

戦後、新宿駅の東には、らんぶる、DUG、西武、青蛾、風月堂など数々の喫茶店が生まれた。その一部は伝説を残して消え、一部はいまも当時の匂いを伝えてくれている。これら懐の深い喫茶店の存在が新宿という街を魅力的にしているのは間違いない。目まぐるしく移り変わる都心の真ん中にあればこそ。

            

文・写真/福崎圭介

                
                
(上)レンガ造り風の外観。1階は喫煙席、地下は禁煙席
(下)ピザトーストセット950円。コーヒーは5種の豆をブレンド
                
新宿らんぶる
東京都新宿区新宿3-31-3
TEL.03・3352・3361
営業:9時30分〜22時30分/元日休
交通:新宿駅東口から徒歩5分、または地下鉄丸ノ内線・副都心線新宿三丁目駅A1出口から徒歩2分
このページのトップへ